球根の育て方は他の草花とそこまで大きな違いはなく、難易度は高くありません。安価で入手できて一個の球根で長く楽しめるのが特徴です。球根と種子の違いを知らない人が意外と多いので具体的に両方の違いを説明すると、種子は親株のこどもで、球根は親株のクローンのような存在です。球根の植物も育てていれば種子ができますが、園芸店やホームセンターでは球根植物の種子はあまり見られません。なぜかと言うと、球根の植物を種子から育てるには年単位の時間を要し、管理が非常に難しいからです。発芽もしにくいので種子から育てるのはかなり大変です。球根植物に手を出すのなら苗か球根を購入しましょう。

球根は一個数十円から手に入りますが、安いものは粗悪品も多く紛れています。『サイズが大きく、ずっしり重く、傷がなく、形が綺麗』ものを探すのが球根選びのコツです。皮がべろべろに向けていたり、サイズが小さかったり、分裂したような形になっているとうまく育たない可能性があります。球根植物をうまく育てるにはまずこうした慎重な球根選びから始まります。

だいたいの球根は日当たりと風通し、水はけの良い環境を好みます。球根内には成長に必要な栄養がたっぷり含まれているため、基本的に追肥をする必要はありません。花が咲き終わったと思ったら、ちょっとかわいそうですが手で花ガラをもぎとりましょう。放置しておくと種をつくり始め、株が弱くなり長く楽しめなくなってしまいます。手で花ガラをもぎとるのは病気を防ぐためです。球根植物はデリケートで病気にかかりやすいので、ハサミで切ると植物が雑菌などに侵されてしまうことがあります。

花が咲く時期を終え、葉もだいぶ枯れてきたら球根の掘り上げを行いましょう。掘り上げた球根で、次の年にまた花を楽しむことができます。ネリネ、スイセンなどは掘り上げずそのまま放置しても大丈夫ですが、土の量が少ない鉢・プランターで栽培していたら掘り出してあげましょう。掘り上げた球根の保管方法は二通りあり、乾燥保管は
直射日光の当たらない、風通しの良い場所で保管します。湿潤保管は球根用の消毒剤で消毒し、少し湿らせたパーミキュライトと一緒にビニール袋などに詰めます。空気が通るよう袋にいくつか穴を開けると良いです。

球根植物には水栽培で育てられるものもあります。ヒアシンスやクロッカスが有名です。専用の水栽培容器が販売されていますが何を使って育てても問題ありません。球根の底を水に浸からせ暗くてひんやりした場所(冬期の植物なので暑い環境は苦手)で管理しているとそのうち根を伸ばして水だけで育ちます。根が伸びてきたら日当たりの良い場所に移し水の量も少しずつ減らしていきましょう。水栽培に関する記事にも書いてありますが水は腐らせないよう小まめに替えてください。初心者におすすめの手軽な栽培方法ですが、球根植物は水栽培だと翌年は花をつけづらくなります。多年草なので、翌年も花を楽しみたいのなら、花ガラを摘み終えた後に土に植え替えましょう。土から翌年花を咲かせるのに必要な栄養が球根に貯蔵されます。