園芸店などで植物を物色していると、『一年草』や『多年草』といったワードをよく見かけると思います。他にも『宿根種』や『耐寒性』など耳慣れない言葉をお目にかかれますね。

植物選びにはこれらの言葉を意識する事が重要で、言葉の意味を理解していればお店でちょっと植物の説明を読んだだけで生育方針を固められます。

『一年草』とは発芽してから一年以内に開花し、そして枯れる草花を指します。環境によっては一年以上生き続けますが基本的に一年だけ楽しめるものだと思いましょう。花をたくさんつけ、そして長く咲かせる種類が多いので目を楽しませてくれます。

育て方が難しくないので初心者はまず一年草から育ててみることをおすすめします。一年草の代表的な種類にはパンジーやビオラ、アサガオなどがあります。

種を蒔いたおよそ一年後に花を開く『二年草』と呼ばれるものもありますがこれは生長期間がちょっと長いだけで基本的に一年草と似た生き方をします。

園芸店などで他に『耐寒性』という言葉も見られると思いますがこれは気温が0度以下の環境でも耐えられるという意味を持っています。
『多年草』は別名宿根草といい、何年もの寿命をもつ植物をいいます。厳しい環境にあっても育ち続けるもの、枯れてしまっても地中に根があればまた生長するものがあり大変強い植物です。

多年草は長く楽しめますが生育が長期になると株がむくむく大きくなりだんだん場所を取るようになります。また、開花期間も一年草に比べ短めという特徴を持っています。

一生の長さの他に植物は好む土壌の質でも分類されることがあります。酸性か中性かアルカリ性かで分けられますが日本のほとんどの土壌は弱酸性程度でアルカリ性の植物はほとんど種類が無いので特に気にかける必要はありません。ネギやレタスなど身近な野菜でアルカリ性を好むものが多いので野菜を栽培する際には意識してみましょう。土をアルカリ性にするには石灰を撒くと良いです。

他には光周性で植物の種類を分けることもあります。光周性とは日照時間の長さによって生物が反応を起こす現象をいいます。植物の場合は生長や開花に影響があります。
まず『中日性植物』は日照時間の影響を受けないものをいいます。だからといって日当たりの悪い環境で育てていいという訳ではありません。中日性植物にはひまわりやシクラメンがあります。

『短日性植物』は日照時間が短くなると開花するものです。日照時間が短くなる時期といえば秋ですが、コスモスなど秋にピークを迎える植物の多くが短日性植物に含まれます。

『長日性植物』は日照時間が長くなると開花するもので冬から夏にかけて花を咲かすものの多くが長日性植物に含まれます。長日性植物は長い日照時間の他に、低い気温にも晒してあげることが大事です。

これらの他にも更に四季咲きや一季咲きなどの分け方がありますが植物を育てるのには特に必要としない知識ですので割愛します。分類の仕方だけでこんなに多くあるのですから奥が深いですね。