『聖母マリアの黄金花』の意味を持つマリーゴールドは晩夏~秋にかけて花を咲かし、たいへん丈夫な植物です。あまり手をかけずとも立派な花をつけます。基本的には冬に枯れる一年草ですが多年草の品種もあります。花の形は品種によって様々で色の種類も豊富、大きさも数十センチから二メートルとかなり異なります。独特の香りを持っており、人によっては不快に感じるかもしれません。この香りが原因でマリーゴールドは毒を持っていると勘違いされていた時代がありました。

見た目の美しさから寄せ植えにもぴったりでしょう。『変わらぬ愛』『濃厚な愛情』と深い愛を表す花言葉を持っていますが『悲しみ』『嫉妬』といったあまり良い印象を受けない言葉も持ちますので贈り物にするには『幸福な日々』のベゴニアや『心のやすらぎ』のペチュニアなど悪い意味を打ち消してくれる植物を添えてあげると良いかもしれません。

マリーゴールドは見た目も美しいですが根にセンチュウと呼ばれる害虫を除けてくれる効果があるため、作物の栽培などで一緒に植えられることもあります。なぜ防虫効果があるのか詳しい事はよくわかっていません。センチュウは五十万以上の種類が存在し、種類によって効果が抜群であったり薄かったりします。イチゴなどを襲うネグサレセンチュウにはよく効きますがサツマイモなどを襲うネコブセンチュウへの効果はいまいち薄いようです。

春頃に苗が流通し始めますが、東北や北海道のような涼しい地域では夏に出回り始めます。苗から育てるのも良いですが種から育てるのも簡単ですので多くの株を育てたいなら種を購入して育てるのも良いでしょう。初夏から秋にかけて花を咲かしますが気温が高いと株が休みます。花をつけないからといって株の健康に問題があるわけではないので心配しなくて大丈夫です。東北や北海道は真夏になってもあまり気温が上がらないのでずっと花を見ることが出来ます。

乾燥に強く、多湿を苦手としますので水やりは土が乾燥して白っぽく色が変わってからにしましょう。夏季は虫がつきやすいので葉に水をかけると良いですが花にかけると株が弱ってしまうので気をつけてください。肥料は一週間に一回程度。花を咲かさない時期はあまり多く追肥すると葉ばかりが育ち花つきが悪くなったり株が弱くなります。

花を一週間から二週間ほど咲かせた後、しおれて種を作り始めます。種は筒のようなさやの中にびっしりと詰まっています。マリーゴールドは一年草で花が咲き終わると枯れてしまうので長く持たせたいなら花ガラをすぐに摘むようにしましょう。そうするとまた花を咲かして楽しませてくれます。種を保存しておきたいなら乾燥させてタッパなどで密閉し、翌年まで冷蔵保管しておきましょう。

種子から育てる方法ですがポットから育てたりいきなり地まきしたりどうするかは好きなようにして構いません。鉢やプランターに多めに種をまくと小株になりますがびっしりと花を咲かせて、これはこれでかわいらしくて素敵です。